「復刻手ぬぐい」は昭和初期に作られた浴衣用の小紋柄型紙を用いて、新たに染め上げた丸久商店オリジナルの手ぬぐいです。
注染で使われる型紙は、現在では様々な化学素材で出来ていますが、従来は「渋紙」という特殊な和紙と「紗」と呼ばれる絹で出来ていました。
現在ではなかなか再現が難しい昔の職人さんが彫った細かい柄ゆきで、その当時のデザインの息づかいを今でも感じていただくのが「復刻手ぬぐい」のコンセプトです。
昔の型紙は非常に堅牢ですが、どうしても経年または使用頻度によっていつかは必ず壊れてしまいます。
復刻手ぬぐいの「帆かけ舟」もその例に漏れず廃番の危機にありました。
「帆かけ舟」は一見点描の総柄手ぬぐいに見えますが、所々にある帆かけ舟のシルエットが江戸湾の情景を感じさせてくれる柄です。丸久としてもお気に入りの柄で、何度も染めていたのですがとうとう壊れてしまいました。
そこで、今回伊勢型紙の彫刻職人である那須恵子さんにまさに「復刻」を依頼したのです。
那須さんは伊勢を拠点として活動されている型紙職人さんで、主に着物の小紋型彫りを得意とされています。
新たに生まれ変わった那須版「帆かけ舟」。型紙を通した古今の職人魂の継承が感じられます。型紙の仕上がりがとても丁寧で、染め上がりが楽しみです。
新たな「帆かけ舟」は来年初春染め上がり予定です。
今晩は。これがあの、「べったら市」で伺った復刻中の作品ですね!
素人目にも気が遠くなる作業であることがわかります。
初春のお披露目を楽しみにしております。
今年もお世話になりました。
丸久商店さんにとりまして、ワン!ダフルな一年となりますよう
祈っております。